今回取り上げるのは『10時間授業で中学英語を卒業する―英会話スクールへ行く、その前に (実況中継CD‐ROMブックス)』(二本柳啓文著)です。
もともとは英語がとても苦手な高校生と大学受験生の為に語学春秋社の通信教育「GOES」の1講座として中学範囲の総復習を効率よくするために作られたものをそのままCD付きの書籍にしたものです。
通信講座は高かったのに、この値段。とてもお得ですが、通信講座を受けていた人は気の毒だな、と。そのくらい安いです。
著者の二本柳先生は河合塾で早大英語と私大英語、本科では英文解釈のハイレベル講座という感じに私大英語のハイレベルな講座を中心に講座を担当されている先生のようです。また、同じ語学春秋社より「二本柳啓文のトークで攻略早大への英語塾」という10時間分の講義CD月の本も出しておられます。予備校という所は教えるのが上手な先生がいわゆるできない学生の講座を担当することが多く(要するにできない学生の方が教えるのが難しい)、その点どうなのかな?と思いましたが、実際この本を一通り聞きながら読んでいてその心配は全くの杞憂で非常にわかりやすいです。後で調べたら他の御著書は愛護ができない学生相手のものが多く納得でした。また何かの機会に他の本についても書いてみたいと思いました。
内容は中学範囲のポイントをザックリと網羅している感じです。
しかし、このザックリが良いのです。
出来ない学生が中学範囲からやり直そうと思ってもまさかABCの練習らやる気にはならないでしょう。(と、いいつつ、最近は英語がそこそこできる子でも筆記体が書けない現実を見ることが多く正直暗澹たる気分になるのですが・・・)また、高校入試用の問題集のようなものだと、本当に苦手な学生なら大学受験生でも重荷になるはずです。
その点この本(この講義)は本当に大事なポイントしか語っていません。逆に言えばそのポイントに関しては非常にわかりやすく「最低限ここだけ抑えておけば何とかなる!」というような解説に徹しています。また演習量も最低限であり、理解するための問題に徹しています。こうしたことから網羅性が薄いとか、練習問題が全然足りないとかという感想を持つ人も当然いると思います。でも、この本の目的を達成するにはそれでいいのです。逆に足りないとか、網羅性が、という不満を持てたということはこの本を卒業する資格をすでに半分くらい持っている、という証拠でもあります。そういう人こそ集中してぜひ早くこの本を完璧にして次の段階の本に進んでください。
さて、話を戻しますが、これでもしよくわからない所があればその項目とその周辺が抜け落ちている証拠です。
そこは最初の1回目でしっかりチェックしておきましょう。と、言うのも2回目、3回目ではもう講義を聞いてしまっているのでわかっている場合が多いのです。だから抜け落ちカ所のチェックは1回目に集中して本にチェックを書き込んでおくなりしましょう。これはとても大切です。ぜひ実行してください。この本を生かすも殺すもここにかかっている、と言っても言い過ぎではないと思います。
チェックをしたら、あとはひたすら繰り返し聞きましょう。最初はしっかりと本を見ながら聞かなければだめですけれど、2回目以降はただCDをひたすら流しておくだけ、でも良いと思います。ともかくそうした感じで5~6回は聞いてください。なんなら他の科目勉強中のBGMとしてでもOKです。そのくらい聞き方はともかく何度も聞くことが大切です。5~6回と書きましたができれば10回くらい聞いて欲しいです。そうすることでこの本が血肉化します。それに10回以上聞けば元が取れた気がするでしょ?(笑い
その後、1回目でチェックした自分が抜けている項目を中学向けの問題集か高校受験用の薄い分野別問題集か何かでしっかり埋めれば、その後は良い本と定評のある高校生向け、大学受験生向けの色々な良書に手を出せると思います。
ちなみに目次は以下の通りです。
第1回 動詞(1)
第2回 動詞(2)
第3回 名詞・形容詞・副詞
第4回 不定詞(1)/動名詞
第5回 不定詞(2)/現在分詞・過去分詞
第6回 不定詞(3)
第7回 比較
第8回 接続詞
第9回 関係代名詞
第10回 いろいろな文
☆お勧めの学習法☆
1°CDをよく聞きながら、本を読んで行きます。(この時指示通り書き込みをします)
2°2~3回本を読みながらCDを聞きます。(この時、1回目で聞き逃していたこと、見逃していたこと、実はわかっていなかったものをチェックして、他の本なりで確認します)
3°あとはひたすら繰り返しCDを聞きます。元を取る気で聞いてください(笑い
4°中学生用、あるいは高校受験用の薄い分野別問題集等で1°2°でチェックしたところを補強しましょう。
5°マスターできたな、と思ったら次の基礎固めの本に移りましょう。
私としては本書の後には同じ出版社から出ている「早わかり超基礎英文法 」(瀬下譲著)を強くお勧めします。この本についても後日書く予定です。
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