なんかずいぶんとあいてしまいましたが、またぼちぼち再開していきたいと思います。今回は現代文のスタートにふさわしい本についてです。
現代文に関してはかつては初心者にしっかりとした基礎を身につけさせる良い本が何冊もありました。たとえば「わかる現代国語」「現代文の重点研究」(これは入門というより入門から使える、という感じの本です)(共に三省堂、藤岡改造 石井庄司 著)、かつて文化放送やラジオ短波などで放送されていた旺文社大学受験ラジオ講座の人気講師だった武石先生による「現代文の攻略法7則」(三省堂、武石彰夫著)、「基礎から説く現代文読解の要点」 (駿台レクチャー叢書、藤田修一著)などがその筆頭だったといえます。藤田先生の記号読解法は賛否が分かれるところではありますが、この本は記号読解法が前面に出る感じではなく極めてオーソドックスに読解の基礎を説いています。これらは各々かなり個性を持った本でしたが大事な抑えるべき点は共通に抑えてあり、感心したものです。
しかし、これらがどんな名著であっても、現在手に入れるのが困難では意味がありません。Amazonやヤフオクでたまに見かけたとしてもとんでもないプレミアがついていて、そこまでして手に入れるというのも現実的ではありません。そこで現在容易に手に入る本にこれらにかわることができる本がないだろうかと色々見てみました。
結論から言えば、これらに代わりうる本はありませんでした。唯一、これらに代わりうるとすればZ会からでている「現代文の解法 読める! 解ける! ルール36」でしょうか。
この本は評論文と小説に大きく分けてその読みとき方を具体的に解説しています。その解説や解説の中心となる解法のルールは非常によくできていて、これをマスターして過去問演習するだけでも共通テストの評論や小説なら満点が狙えるだろうし、そのまま他の有名な問題集などでの演習に入っても評論と小説に関しては困ることはないでしょう。
しかし、この本は前述の通り評論と小説に絞ってあるので、入試で頻出の随筆についてや時々一部の大学で出される詩や短歌といった小説以外の文芸的文章に対しては他の本で補う以外にないのです。そこがこの本の残念なところであるといえます。しかし、それは他の本でもほぼ同じで、そう考えたとき、他の本と比較したときの完成度は高く、入試の最初の1冊としてはこの本がほぼ一択であるといえるでしょう。また、小説以外の文芸的文章は出題される大学がある程度限られているので、自分が受験する大学の過去問を何年か分確認して、出ていなければ特に気にしなくてもよいのかもしれません。
では随筆などの対策はどうしたら良いでしょうか。これに関しては問題演習の中で対策を身につけていくしか残念ながらありません。ただ、対策としては随筆対策としては評論文に準じた解き方をする、という方法で切り抜けてしまっても良いと思います。
演習書についてはまた違う機会にまとめてみたいと思います。
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