2024年8月18日日曜日

 ログイン情報がわからず、ずいぶんと長い間入ることができませんでした。

おかげさまで先ほどようやくログインができました。

これからまた少しづつ更新をしていこうと思います。

みなさん今後ともよろしくお願いします。

2022年12月24日土曜日

現代文の入門的テキスト

なんかずいぶんとあいてしまいましたが、またぼちぼち再開していきたいと思います。今回は現代文のスタートにふさわしい本についてです。

 現代文に関してはかつては初心者にしっかりとした基礎を身につけさせる良い本が何冊もありました。たとえば「わかる現代国語」「現代文の重点研究」(これは入門というより入門から使える、という感じの本です)(共に三省堂、藤岡改造 石井庄司  著)、かつて文化放送やラジオ短波などで放送されていた旺文社大学受験ラジオ講座の人気講師だった武石先生による「現代文の攻略法7則」(三省堂、武石彰夫著)、「基礎から説く現代文読解の要点」 (駿台レクチャー叢書、藤田修一著)などがその筆頭だったといえます。藤田先生の記号読解法は賛否が分かれるところではありますが、この本は記号読解法が前面に出る感じではなく極めてオーソドックスに読解の基礎を説いています。これらは各々かなり個性を持った本でしたが大事な抑えるべき点は共通に抑えてあり、感心したものです。








しかし、これらがどんな名著であっても、現在手に入れるのが困難では意味がありません。Amazonやヤフオクでたまに見かけたとしてもとんでもないプレミアがついていて、そこまでして手に入れるというのも現実的ではありません。そこで現在容易に手に入る本にこれらにかわることができる本がないだろうかと色々見てみました。

結論から言えば、これらに代わりうる本はありませんでした。唯一、これらに代わりうるとすればZ会からでている「現代文の解法 読める! 解ける! ルール36」でしょうか。


この本は評論文と小説に大きく分けてその読みとき方を具体的に解説しています。その解説や解説の中心となる解法のルールは非常によくできていて、これをマスターして過去問演習するだけでも共通テストの評論や小説なら満点が狙えるだろうし、そのまま他の有名な問題集などでの演習に入っても評論と小説に関しては困ることはないでしょう。

しかし、この本は前述の通り評論と小説に絞ってあるので、入試で頻出の随筆についてや時々一部の大学で出される詩や短歌といった小説以外の文芸的文章に対しては他の本で補う以外にないのです。そこがこの本の残念なところであるといえます。しかし、それは他の本でもほぼ同じで、そう考えたとき、他の本と比較したときの完成度は高く、入試の最初の1冊としてはこの本がほぼ一択であるといえるでしょう。また、小説以外の文芸的文章は出題される大学がある程度限られているので、自分が受験する大学の過去問を何年か分確認して、出ていなければ特に気にしなくてもよいのかもしれません。

では随筆などの対策はどうしたら良いでしょうか。これに関しては問題演習の中で対策を身につけていくしか残念ながらありません。ただ、対策としては随筆対策としては評論文に準じた解き方をする、という方法で切り抜けてしまっても良いと思います。

演習書についてはまた違う機会にまとめてみたいと思います。



2019年10月6日日曜日

入試によく出る! 「英会話・口語表現」の徹底トレーニング (新装版)

そもそも会話・口語表現の学参自体がとても少なく、あったとしてもセンター試験で必出なのでセンター試験的を絞ったものがほとんどです。

そういう意味で、2次私大対策にも使える本書は非常にありがたく、いかに書きますが、もともと同著者の2008年刊「英会話問題の徹底演習(大学受験スーパーゼミ) 」を実質改訂したものなので、ともから定評のあった本をUp To Dateしたものです。



1.変遷

出版社を変えつつ、3回目の改定の本です。

最初は
2008年の「英会話問題の徹底演習(大学受験スーパーゼミ) 」です。

当時センター試験対策以外の大学受験用英会話問題に特化した本はほとんどなく貴重な存在でした。今も増えたとはいえ著者の在籍する河合塾講師陣による

「英語入試問題解法の王道〈1〉会話問題のストラテジー」
を含めて数冊です。


この本についてはまたほかの機会に改めて書こうと思います。

さて、2008年の桐原書店版から、2016年に「入試によく出る! 「英会話・口語表現」の徹底トレーニング」というタイトルでラピュータから改訂版として出版されました。このラピュータという出版社はこの本以外ほとんど(私が確認した中ではこれのみ)出していないので、なぜこの出版社から改訂版が出たのかは不明です。そして現在はすでに絶版になっています。


そして、今手に入るのが、

今年(2019年)の5月にプレイスから
「入試によく出る! 「英会話・口語表現」の徹底トレーニング (新装版)」 
というタイトルで新装版として出版されました。

内容は新装版というだけあって改定はされておらず、巻末に第1章「会話の決まり文句」の索引が追加されただけです。旧版はネットでプレミアがついていますが今年この本が出たので落ち着いてくると思います。



2.効果的な使い方

構成は各章10日で仕上げる目標となっており、30日で完成となっています。

第1章 会話の決まり文句
第2章 対話表現演習
第3章 総合問題演習

となっています。

使い方としては、この本の使い方に書いてあるように進めていけばよいのですが、

頻出重要表現の200のマスター
→応答表現の演習
→会話の論理展開をつかむトレーニング

という順に進むようになっています。なお、付録の(1)場面別英会話表現は早めに覚えてしまった方が得点にすぐに反映するので、心の余裕を持って進めていけると思います。

・センター対策に使う人はこれを終えて過去問をやれば十分でしょう。

・二次私大対策も通常はこれを終えて過去問を説けば大丈夫だと思います。

・対話文の難易度が高い問題を出題する傾向のある二次私大対策(つまり、この本を終えた後に過去問を3年分ほど解いてみて不安があった場合)にはこの本の後に「英語入試問題解法の王道〈1〉会話問題のストラテジー」 (河合塾シリーズ 英語入試問題解法の王道 1) を挟んで過去問演習で仕上げ、とすればよいと思います。この本を終えた後なら、おそらく3~5日くらいで終わらせることができると思います。

大切なことなのでもう一度繰り返すとこの本の征服にはともかく最初の第1章の頻出表現200と付録の「(1)場面別英会話表現」をしっかり覚えてしまうこと、です。

その上で第2章、第3章と進めば各章10日となっていますが結構飛ばせると思います。


3.唯一の欠点

この本は会話問題の本であるにもかかわらず、CDがついていません
これはかなり致命的です。
この欠点を補うには「英語入試問題解法の王道〈1〉会話問題のストラテジー」を使うことです。連動はしやすいです。






2019年9月12日木曜日

今度こそ再開します

前回「再開します」というタイトルで書いてから軽々と1年以上すぎてしまいました。

実はあのあと、熱中症で入院し、その後遺症で寝込んでいました。
回復してきたら、仕事がたまりすぎていたのと、新しくできる出版社の顧問になったりとドタバタしていました。

そしてこの夏も24度の屋内で脱水症状を起したりとひどい目にあいつつ、ようやく復活した次第です。

参考書の話をこれからも続けていく予定なのですが、そんなこんなで、資料の整理が全然できていないので、資料整理のめどがつくまでよく受ける質問について等を中心に更新していこうと思います。

だいぶ開いてしまいましたがみなさん今後ともよろしくお願いします。

2019年8月24日土曜日

再開いたします

みなさんご無沙汰しております。

この1年ほど、入院したり、入院するまでではなくても体調不良で寝込んでいたり、というようなことに加えて、いくつかの出版社の仕事にかかわった関係で、ちょっと学参関係の記事を書きにくい状況(いわゆる「大人の事情」です)があったりで、すっかりブログやツイッターから遠のいておりました。

しかし、おかげさまで(?)ようやくそうした呪縛も解けて、再開できる状況と相成りました。

今後ともよろしくお願いいたします。

2018年7月4日水曜日

ご無沙汰しておりました

この2週間ほどの間に色々ありまして、ご無沙汰しておりました。

前の記事も前半を書いただけで停まってしまい、楽しみにして下さった方もおられたようで大変申し訳ありませんでした。

実はこの間に癌の疑いで精密検査を受けていたり、その結果にドキドキしたりという感じで、リアルに顔を合わせる仕事は何とかこなしてはいたものの、人生について改めて考えてしまう日々でした。

そんな事情でネットにつなぐも何を書いてよいものか考えてしまい、結局何も書かずに色々と眺めるだけ、という感じでした。

おかげさまで大過なく、無事に事なきを得ましたが、人間いつファイナルカウントダウンが開始されるかわからないという事実をいやおうなしに思い出させてもらいました。まぁ、ありがたいわけでもないのですが、ある意味「少しは気を引き締めろ!」という神様のはた迷惑な叱咤激励なのかな、とも思いました。

そんな事情で、ここしばらくは傍目とは裏腹に内心ではドタバタしておりましたが、おかげでやろうか、やるまいか迷っていた事柄や仕事などに対して「いつ死ぬかわからないからやっておこう」という妙な踏ん切りつきもしました。

それでは今日から徐々に復帰していきますので今後ともよろしくお願い致します。

2018年6月17日日曜日

英文解釈教室[入門編](1)

極めて有名な英文参考書シリーズについてこれから書いていきます。
やったことがあるかどうかは別として、それなりの難易度の大学を受ける受験生やかつての受験生でこのシリーズを知らないと言ったらそれはモグリでしょう。



(英文解釈教室 入門編と別冊)

そんな有名なシリーズについてなので、正直私もそれなりに緊張して書いています(笑い


1.最後の英文解釈教室

入門編なのだから、「最初の英文解釈教室」なのでは?と思われるかもしれません。しかし、本当に最後の「英文解釈教室」なのです。

実はこの入門編は英文解釈教室シリーズの最後に出版された本なのです。

1977年 英文解釈教室
1996年 英文解釈教室 基礎編
1996年   英文解釈教室 入門編

という順で刊行されました。

もちろん、1997年に 「英文解釈教室(改訂版)」が出ているわけですし、1977年版の英文解釈教室とこの改訂版では同じ本とは言えないレベルの大改訂画家行われているわけですから、こちらを最後と言えなくもないのですが、構成や文体などが変わっただけという観方もできなくはないので全くの新規という意味ではこの「英文解釈教室[入門編]」が最後となるのです。

2.伊藤英語とそれ以前

さて、伊藤先生は

1968年 「基本英文七〇〇選』
1972年 「英文法頻出問題演習」
1975年 「英語構文詳解」
1977年 「英文解釈教室」

と、約10年かけて「伊藤英語」の体系を一応完成させました。旧版の「英文解釈教室」はその一つの到達点といっても過言ではないでしょう。

私が高校生の頃、東大を受験する連中は誰もが「英文解釈教室」を持っていました。ちょっと先輩の世代になると山崎貞「新々英文解釈研究」が一緒の本棚に収まっていたりもしましたが、実はこの「英文解釈教室」はこの「新々英文解釈研究」を代表とする対象以来の旧態依然とした参考書の駆逐と新しい「あるべき参考書像」を示すために書かれたともいえるのです。実際伊藤先生ご自身も

「山崎貞という人がいた。この人が大正元年に出した英文解釈の本が、もちろんその間に手を加えているんだが、以来、半世紀以上にわたってまだ図書館じゃない、本屋にあるんだよ。
 僕は最初アルバイトと思って始めた予備校教師の仕事だったが、どこかで本気でやることになってからは、せっかくやるなら、やっぱり山崎貞を駆逐するくらいのことはやりたい。そうでなければ自分がこの分野に足を踏み入れた意味はないと思ったのは事実だね。」

と平成8年『駿台予備学校 師たちの回想』の「英語科 伊藤和夫先生にきく」の中ではっきりと述べておられます。

もちろん、当時の私はそのような事情は知るはずもなく、先輩の家の本棚に山貞が、机の上に教室が、という光景はある意味伊藤先生の目標が達成されている情景の縮図だったともいえるな、と今では思います。

とはいえ、実を言うと私は当時、伊藤和夫も山貞も持っておらず、正直

「どちらも先輩方は勧めるけれど:jちらも難しいしとっつきにくい」

と、思っていました。「英語劣等生の鏡」ですね(笑い



3.ラ講と伊藤和夫

さて、このように英語の参考書の勢力図を書き換えた「英文解釈教室」でしたが、前述のように1997年に大改訂され、同時に「英文解釈教室のシリーズ化」がなされました。

この書いてとシリーズ化は旺文社の大学受験ラジオ講座(以下ラ講)で

「ルールとパターンの英文解釈」(これが本編のようなもの)
「ルールとパターンの英文解釈 入門編」
「ルールとパターンの英文解釈 演習編」

を講義された中で発想されたのではないかと思っています。あるいはその構想をラ講で試し、上手くいったので更に具体的な構想と執筆に踏み切った、という事なのかもしれません。

どちらにせよ、「英文法のナビゲーター」同様にラ講での講義が元となっていることは間違いないと思われます。

ちなみにラ講での講義の一部は研究社から最近出た「ルールとパターンの英文解釈」で再現されていますし「英文法集中クリニック」は「英文法のナビゲーター」としてほぼ再現されています。「ルールとパターンの英文解釈」「英文法のナビゲーター」についてはリンク先に詳細があります。

これは「英文解釈教室」について書くときに詳しく書く予定ですが、旧版の「英文解釈教室」からラ講の講義をある意味橋渡しとして1987年にPart I,翌年にPart IIが出た「ビジュアル英文解釈」へとつながっていく中で、伊藤先生の中では旧版の「英文解釈教室」が浮いた存在になってきてしまっていたのかな、と私は個人的に想像しています。

4.英文解釈教室[入門編]の構成

この本は以前「英文法どっちがどっち」の所で触れたように、各章(各講)が全て

[1]短文問題
[2]長文

という構成になっています。

この[1]が「英文法どっちがどっち」と同じ、英語初学者が間違えやすいものの判別問題で構成されています。ちなみに内容を目次的に列挙すると、

第1講 名詞か動詞か
第2講 名詞か形容詞か
第3講 自動詞か他動詞か
第4講 直接目的語か目的補語か
第5講 形容詞か副詞か
第6講 副詞か前置詞か
第7講 直説法か仮定法か
第8講 [不定詞]名詞用法か副詞用法か
第9講 [不定詞]形容詞用法か副詞用法か
第10講 現在分詞か動名詞か(1)
第11講 現在分詞か動名詞か(2) -ing + 名詞
第12講 現在分詞か動名詞か(3) -ing + 名詞
第13講 過去か過去分詞か
第14講 関係詞か接続詞か
第15講 名詞節か副詞節か

Appendix
[1]前置詞か接続詞か
[2]名詞節か形容詞節か
[3]動詞+前置詞的副詞

と、なっています。
「英文法どっちがどっち」と比べてこの本に章立てとしてないのは、

3 動詞 or 形容詞?
5 形容詞 or 前置詞?
6 副詞 or 前置詞?
8 目的語 or 補語?
17 文否定 or 語否定?
18 部分否定 or 全体否定?
21 形式主語 ... 名詞節 or 強調構文?
22 関係代名詞 or 関係形容詞?
 (数字は「英文法どっちがどっち」の章の番号)

ですが、どれも本文の中でこれらについては触れてあります。また、本書の「第13講 過去か過去分詞か」は「英文法どっちがどっち」では扱われていません。

さて、この本は[1]でこうした解釈の中で文法的に間違えやすい所をあらかじめ学習した上で[2]の長文でそうした部分を意識しながら、その他化の文法事項をからめつつ

「解釈に文法をどう活かすか」

を読者に徹底的にしこんでいきます。ちなみに口語調ですが「ビジュアル英文解釈」のような学生と教師の疑似的会話の中に見られるウザさはありません(笑い

英文解釈教室[入門編](2)では、この本の効果的学習法等を中心に書く予定です。