2018年4月26日木曜日

「ルールとパターンの英文解釈」その2

4.ルールとパターン

伊藤和夫の「ルールとパターン」というとほとんどの人が「ビジュアル英文解釈」を思い浮かべることと思います。しかし、ルールとパターンという考え方はこちらの方がオリジナルなのです。

ここでは簡単にこの本で述べられているルールとパターンと「ビジュアル英文解釈」で述べられているものとの相違を期待と思います。

まづ、パターンについてはどちらも変わりません

しかし、ルールの方は「ビジュアル英文解釈」で述べられているものはルール1~11までの11個、本書では13個のルールとなっています。本書における

「等位接続詞のあとのコンマについてのルール」
「長い句の扱い方についてのルール」

がビジュアルでは削られています。もちろん、これはたしかに他のルールと比べればランクというかレベルというか明らかに落ちるので、著者の伊藤先生御自身はおそらく途中で不要と思われて「ビジュアル英文解釈」では削られたのだと思います。しかし、これを削るかどうかは「ビジュアル英文解釈」やこの本の最初のレベルの英文から出発する必要がある人にとってはあったほうがいいのではないかな?と個人的は思います。

特に「長い句の扱いについてのルール」その練習は一度しっかりやっておくかどうかで初心者から中級者に昇っていく一つの大きな手掛かりとなると思うのですが。


5.この本はどんな人に向く本か?

さて、前述したようにこの本は「英文解釈教室シリーズ」や「ビジュアル英文解釈」と色々と中途半端にダブります。しかもそれらの本はこの「ルールとパターンの英文解釈」の後に出た本ばかりです。ですから、正直「ビジュアル」「教室シリーズ」等をやっている人はやる必要がありません。

ですからこの本をお勧めする読者は何と言っても「旧ラ講生」「駿台OB」「その他伊藤先生に思い出や思い入れのある人」です。


6.今の受験生にとって役立つのか?

5で懐古趣味的な本のような言い方をしましたが、今の学生に役に立たないか?と言われたら決してそんなことはありません。先程から私が書いてきた「中途半端にダブル」という性格をフル活用すればよいのです。ではどんな学生がどのように使えばよいか、これはズバリ

「英語が苦手で時間がない受験生」

です。こうした人は「ビジュアル英文解釈」と同じくらいのレベルからスタート(両者を比べるとわかりますがスタートは例文までまったく同じです)して、大体同じくらいの到達点に1冊で到達できます。しかも、全部で40講(そのうち1講はルールとパターンの説明だけ)という量も「やり切れる」という希望を感じさせてくれると思います。

もう一度確認すると「ビジュアル英文解釈」と本書は出発点と到達点がほとんど同じです(到達点は本書の方が若干高いと思います)。

同じスタートで同じ到達点なら、2冊より1冊ですむ方がいいに決まっています。また「ビジュアル英文解釈」に出てくる不自然な学生の話もないので無駄なく無味進むことができます。

そう考えると、これはあくまでも私の個人的見解ですが、この本が簡単に手に入るならビジュアルよりこれをやるべき、だと思います。

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