2018年4月28日土曜日

YouTubeで学べる 長岡先生の集中講義+問題集 数学I+A+II+B  その(1)


この本は2018/3/16に上下巻同時に発売されました。


本書はかつて出版され、今は絶版となっている「数学ライブ講座 音声CD-ROM付 (聞けば聞くほどよくわかるシリーズ)」の1~3を小さくして、紙質を変えて編集し直した上に、練習問題を問題集並みに入れた、という感じの本です。

この本も「数学ライブ講座」同様、1994年(Jランドを含めれば1995年)まで文化放送とラジオ短波をキーステーションに放送されていた「旺文社大学受験ラジオ講座」(以下ラ講)の最後期(つまり後期からラストまで)で長岡先生が放送されていた講義と、それを再編集し直した「ラ講テープセミナ長岡の代数幾何総合演習」「同 基礎解析」をまとめて再編集したものです。

例えば、最初のページのまとめは前述の本の第1巻の最初のページのまとめと全く同じものですし、もっとさかのぼればラ講の「長岡の数学Ⅰ」講座の4月号にの第1科会に掲載されたのとも全く同じです。(長岡先生は数学Ⅰを2年度講義されており、そのどちらかは今手元に資料がないので明記できません)

従来の出版物などと比較して、このシリーズの特徴としては

・左ページのまとめに対応する右ページの問題は少なくなっている。

・その分、前述の本よりもまとめの項目が大幅に増えている。
 (これは今まで1ページでまとめていたものを数ページに分けて解説しているので)

・まとめのページの映像及び音声解説はなくなった。(長岡先生のこのまとめ部分の解説は深く数学の考え方の本質に触れさせてくれるものであっただけに残念至極、です)

・(映像解説はありませんが)類題や発展問題の演習がタップリできるようになっている。

・長岡先生の「場合の数、確率の分野の解説」はこの本が(ラジオ講座時代も含めて)受験レベルのものとしては初めてです。(ここ重要!)

もちろん、映像解説のない問題も解答は「ていねいな参考書の例題レベル」の飛躍のない解答・解説になっており、この本にしっかり取り組めば数学が苦手な学生でも(根気と時間は必要だが)、独学で十分大学入試に太刀打ちできるレベルにまで到達できると思います。

今まで長岡先生はⅠAⅡBの範囲までしか講義を出版など簡単に手に入る形で発表されていませんでした。(教科書レベルの講義は旺文社から出ている「【音声DVD-ROM付】長岡の教科書 」シリーズ等で出されていますが受験レベルのものはありません)

例外はラ講で1993年3月~1994年2月まで放送されていた長岡の“総合的研究”「微分・積分」のみでした。この本のような構成で右側にまとめ、左側に問題という構成で解説されていました。

これは旺文社の長岡先生特集サイトで極限に関する講義を今も公開されています。

このシリーズは数学Ⅲまで予定されているようですから、長岡先生としては初めての微分積分の教科書レベルを超えた、受験数学レベルの解説がラ講から20数年を得てようやく復活、ということになり今から完結が楽しみです。

さて、本書は目次は講義編が

これに続いて「+問題集(問題編)余力がある人のための発展問題」となっています。

教科書を一通り読んだ後ならば(つまり、きちんと理解はしていなくても三角関数と言えば「サインとコサインの平方の差が1」などの基本公式くらいは思い出せるレベルで十分)、この本と長岡先生の講義に必死に取り組めば「理解ができない』ということは殆どの人にとってないと思います。そう考えると、教科書も正直怪しいレベルの学生が、これだけで受験数学のそれなりのレベルに落ちこぼれることなく到達できるのですから、時間がかかるとは言っても結果的に短期達成できる確実な手段を与え化てくれる本とも言えます。

もし「この本は難しすぎる!」と思ったら教科書レベルの学習ができていない証拠です。その場合は同じく旺文社から出ている

「長岡の数学教科書数学Ⅰ+A全解説」
「長岡の数学教科書数学Ⅱ+B全解説」
「長岡の数学教科書数学Ⅲ全解説」

を使うと講義内容も連携しているのでスムーズに進むことができると思います。

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