ところで、伊藤和夫の本の著作全体を読んだ上で何時も私が思う事なのですが、どういうわけか
「前置詞を正面からきちんと扱ったものがない」
のです。唯一の例外がこの本のPart Ⅱ 1 前置詞の意味と用法 の部分でわずか14ページ(しかも当然半分は問題なので実質7ページ!)扱われているのみ、なのです。伊藤先生決して前置詞を軽んじていたわけではないはず(「atやinなどの短い単語が口調か何かで入った、などと思ってもらっては困るのです」というようなセリフを生前多用しておられたことを考えても間違いないでしょう)なので、これは私がずっと疑問に思っている事なのです。もし、どなたか生前の伊藤先生からその理由を聞いたことがある方がいらしたらぜひお教えください。よろしくお願いします。
さて、現実的な話に戻しますと、当然のことながら、前置詞がらみの解釈などは別としても、伊藤先生のシリーズのみでは前置詞問題についてどうしても穴ができてしまいます。そこで、それは他の著者の本で埋めるしかありません。そこでお勧めするのは、伊藤先生が若かりし頃、共に教え方の研究をされたという山口俊治先生の本で埋めるのが教え方なども共通項が多いので良いと思います。山口先生の本で、と言えば有名な「英文法講義の実況中継」があります。これの最後に前置詞問題についてをまとめて解説している章が3章あります。なので、
前置詞は「英文法講義の実況中継 ①」で埋める
と、いうのがお勧めです。
4.おすすめの学習法
「ともかく解きまくる、そして3周はする」というのにつきます(笑い
ただし、必づ答えをノートに書いてみることが大切です。つまり、
1° 1章分一気にノートに問題を解く
2° その後右ページを見ながら採点する
・この時、間違っていた問題には左ページの問題の所にチェックを付けて置く
・また、間違ったところはなぜ間違ったか、あっていても解説の考え方と違っていたらその部分を本の右ページの解説部分にアンダーラインを引いたり、書き込んだりしておく
とうい順で進め、3周します。そして、3周目でもできなかった問題は、右ページの解説や「英文法のナビゲーター」の該当部分を読みこむなりして、右ページに書き込みをしていきます。
これが基本になります。ただし、これは英文法が得意な人向けの仕上げの勉強法です。
一般的には「英文法のナビゲーター」と並行して学習する方をお勧めします。つまり、上記の1°の所を
1°「英文法のナビゲーター」を読み進め、該当項目が終わったら、本書の該当項目をノートに解く。
というように差し替えます。
2°以降は同じです。「英文法のナビゲーター」との対応関係は本ブログ「英文法のナビゲーター(3)」の「6.「新・英文法頻出問題演習[PartⅠ文法編]」を使った復習の手引き」を参照してください。
5.この本が終わったら
この本は「英文法を学ぶための本」です。なので、著者自身が使用上の注意の5でも書いているように、章立て自体が問題の答えに対するヒントになってしまう、つまり「どの章の問題かという事で解答の見当がついてしまう」という弱みがあります。ですから、この本(「英文法のナビゲーター」も含む)が終わったら、構成がランダムな問題集をこなしておく必要があります。これは正直どんな問題集でも良いと思いますが、せっかくこの本で勉強したならば『「新・英頻」併用 英文法問題集』を仕上げてしまうのが楽だと思います。この本は解答に英頻のどのページが関連項目か、という参照部分を全問題に附してあるので、間違えた問題から弱点補強が効率的にできます。
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